六都市・同じ回答者の追跡|第3回

台北では差が縮小、高雄はなお接戦——次の調査で注目すべきは未定層の選択

ShareParty Insight ·

台北市では沈伯洋が蔣萬安との差を縮めた。高雄市では柯志恩の支持割合が上がり、賴瑞隆に近づいた。ShareParty Insightの第3回調査では同じ回答者を追跡し、異なる二つの動きを捉えた。台北では投票先が未定の回答者がより大きく減った一方、高雄ではなお3割近くが決めていない。

今回は動画、アプリ、ウェブサイトの実際の利用記録も加えた。候補者に関する情報がより多くのアカウントに届いても、支持が必ず増えるわけではない。また、あるプラットフォームで話題が盛り上がっても、利用者が大きく移ったとは限らない。選択の変化と、どのような内容に接したかは、分けて見る必要がある。

8月の記事「台湾の選挙メッセージ調査:12の政策メッセージの優先順位をどうつけるか」では、政策の伝え方がどう受け止められるかを比較した。9月上旬の「有権者は自動的に支持を固めてはいない」では、なお多くの人が判断を保留していた。今回は同じ人の前後の選択を追い、連携した動画アカウント、アプリ、ニュースサイトの記録も加えた。「誰を選んだか」から「何に接したか」へと観察を広げている。

同じ回答者の選択は、前回からどう変わったか

前回今回
台北: 蔣萬安 41.5% → 41.5%; 沈伯洋 30.2% → 34.0%高雄: 柯志恩 25.4% → 31.7%; 賴瑞隆 30.2% → 30.2%
両回に参加:台北53人、高雄63人。無加重。主要2候補のみ表示。市全体の支持率推計ではありません。前回:2026/8/31–9/8。今回:2026/9/16–9/22 06:45(台北時間)。出所:ShareParty Insight 第3回追跡調査

台北:沈伯洋が差を縮めたが、未定層は一方だけに流れたわけではない

同じ台北の回答者を比べると、蔣萬安は41.5%で変わらず、沈伯洋は30.2%から34.0%に上昇した。両者の差は11.3ポイントから7.5ポイントへ縮小し、投票先未定の割合は20.8%から15.1%へ低下した。これは同じ回答者の変化であり、市全体の支持率を推計したものではない。

前回は未定で、今回は蔣萬安を選んだ人と沈伯洋を選んだ人は同数だった。したがって、差の縮小を、沈伯洋だけが未定層を獲得した結果とは解釈できない。沈伯洋には未定層に加え、前回は蔣萬安を支持していた回答者も移った。一方、蔣萬安の従来の支持者の中には、未定に変えた人もいた。

沈伯洋は支持を増やしただけではない。前回は沈伯洋を選び、今回は新たに選択肢に加わった郭璽を選んだ回答者もいた。前回の候補者一覧には郭璽がなかったため、この回答の変化を、そのまま確実な支持変更とは数えられない。台北で次に追うべきは、今回初めて投票先を示した人が、次回も同じ選択をするかどうかだ。

高雄:柯志恩は上昇、賴瑞隆は横ばい。それでも3割近くが未定

同じ高雄の回答者では、柯志恩が25.4%から31.7%へ上昇し、賴瑞隆は30.2%で変わらなかった。前回は賴瑞隆が4.8ポイント上回っていたが、今回は柯志恩が1.6ポイント上回った。この標本内では順位が入れ替わったものの、小さな差だけで市全体の情勢が逆転したとは判断できない。

柯志恩が新たに得た支持は、前回の未定層と、賴瑞隆または張靜を選んでいた人から来ていた。賴瑞隆は張靜の支持者や未定層から支持を得た一方、柯志恩や新たな選択肢の洪方隆へ移った人、未定に戻った人もおり、全体の割合は横ばいとなった。

台北との最大の違いは、未定の割合が30.2%から28.6%へ、1.6ポイントしか下がらなかったことだ。台北の低下幅5.7ポイントより小さい。この高雄の回答者群には、まだ決めていない人がより多く残っている。主要2候補の小さな差だけを見て、情勢が固まったと考えるべきではない。

動画の追跡:利用したプラットフォームだけでなく、どの動画に接したかを見る

SPIは支持する候補者を尋ねるだけでなく、回答者の同意を得たうえで、連携した動画アカウントに残るYouTubeとShortsの記録も追跡している。動画タイトルから、インタビュー、演説、ニュースなどの具体的な内容を識別し、各回の調査回答前1週間に同じアカウントが接した内容の変化を比べる。今回は六都市にまたがり、前後の両期間に記録があるアカウントを対象とした。

動画タイトルに基づくと、沈伯洋に関連する動画の記録があるアカウントも、蔣萬安に関連する動画の記録があるアカウントも、前期より増えた。つまり、両候補に関連する動画が、より多くのアカウントの記録に現れた。該当アカウント数が少ないため、個別の割合は掲載しない。

どの動画がより多くのアカウントに届いたのか。今回の両候補に関連する動画では、中廣の番組「欸!我說到哪裡了?」による沈伯洋インタビューが最多だった。次いで、鏡新聞が「一刀未剪」(ノーカット)と表示した沈伯洋の日本後援会での演説で、この動画のタイトルには蔣萬安の名前も含まれていた。個別の動画の記録数はいずれも少ないため、割合は掲載しない。

こうした記録によって、「YouTubeを見たかどうか」にとどまらず、どのような具体的な内容に接したかが分かる。ただし、アカウントが共有されている場合もあり、接触は賛同を意味しない。支持の変化を特定の動画に帰することはできない。

YouTubeだけではない。LINEとFacebookが最も広く使われ、Threadsは約3割

別途、前後の各期間で少なくとも3日間アプリの記録があったAndroid利用者群を比較した。この群は前述の動画アカウント群とは異なり、双方の割合を相互に置き換えることはできない。今回、アプリを開いた記録があった割合は、LINEが83.0%、Facebookが76.3%、YouTubeが68.9%、Threadsが28.9%。ほかにInstagramが43.7%だった。前期は同じ順に81.5%、77.8%、68.9%、30.4%、45.2%で、変化は大きくない。TikTokとXは記録がある人数が少ないため、割合は掲載しない。

ニュースサイトも、今回確認したドメインへの訪問記録がある割合は56.3%から54.8%と、ほぼ同水準だった。これらの記録は、プラットフォーム利用の大規模な移動を示してはいない。LINEとFacebookは引き続き広く使われ、Threadsは約3割、ニュースサイトにも過半数の訪問記録があった。これらはアプリを開いた記録とウェブサイトの訪問記録であり、政治的な内容を読んだ割合ではない。

政治広告:接触の広がりはまだ見られず、支持上昇を広告の成果とはみなせない

両週ともAndroidのSNS広告記録があった同じ人たちには、各週3万6,000件を超える広告記録があった。そのうち候補者名や政党名を掲げた広告への接触記録があった人は、両週ともごく少数だった。識別できる政治広告への接触は依然として散発的で、広がりを示す兆候はない。ただし、両週の小さな差だけで接触が減っているとも判断できない。

これは9月1日の記事「未定層が最大のグループ:デジタル行動から見える、次に検証すべきこと」の観察を引き継ぐものだ。政治広告は既に現れており、次に追うべき変化は、その接触範囲が広がるかどうかである。前の記事は66日間の広告主の把握であり、今回は同じ人を固定し、9月の連続する2週間を比較している。二つの記事の数値を直接差し引いたものではない。

暮らしに関わる政策の違いは、毎月の家計負担にどう表れるか

前の二つの記事では政策メッセージと日々の負担を取り上げた。今回は提案をさらに具体化した。各提案を掲げる候補者への支持をより前向きに検討すると答えた割合は、次の通りだった。

保育・介護の自己負担を減らし、毎月の家計支出を見通せるようにする:53.1%。

賃貸住宅と初めての住宅購入への補助を拡充し、各地区で手頃な価格の住宅整備の進捗を公開する:46.4%。

中・低所得世帯に、電気料金と公共交通費の定額減免を提供する:41.5%。

これは六都市に限らず、台湾全域で政治に関する設問に回答した人による、仮の提案に対する検討意向である。前述の支持変化の原因を示すものではなく、設問が異なる8月の割合とも直接比較できない。

次のメッセージ調査では、より具体的な点を尋ねる必要がある。金額と適用条件を理解しているか。財源、実施方法、時期を理解しているか。どこに誤解が生じるか。中立的なメッセージ理解・提案評価調査によって、「この提案を支持する」という回答の背後に、どのような理解があるのかを確かめられる。今回の数値は、どの提案についても得票を保証するものではない。

ほかの三都市:差の変化は一様ではない

新北では李四川と蘇巧慧の差が5.1ポイントから2.5ポイントへ縮小した。台中では江啟臣と何欣純の支持割合がともに上昇し、差は7.0ポイントのままだった。台南では陳亭妃と謝龍介の差が15.6ポイントから18.8ポイントへ拡大した。桃園は前後を比較できる標本が不足しているため、本稿では同市の結果を報告しない。

未定の人は減ったが、まだ最終結果ではない

六都市の同じ回答者では、未定の割合が31.8%から29.1%へ、2.7ポイント低下した。回答を変えた人は19.5%だった。候補者を変えた場合、未定から選択に移った場合、選択済みから未定に戻った場合、投票しない・回答を控えるに変えた場合を含む。

次の調査で重要なのは、もう一度順位に結論を出すことではなく、三つの点を追うことだ。未定の人が引き続き選択を示すか。支持が主要2候補にさらに集中するか。既に選んだ人がその選択を維持し、投票に行くと答えるか。

台北では未定がより大きく減り、高雄ではなお3割近くが決めていない。これが今回の最も明瞭な違いだ。次に確かめるのは、新たな選択が続くかどうかである。一度の回答は最終結果ではない。同じ人を追い続ける価値は、その変化の過程を捉えることにある。

調査方法

実施:ShareParty Insight。調査責任者:陳彥廷(Tatt Chen、CEO)。費用:ShareParty Insightの自己資金。

期間・対象:今回の数値は2026年9月16日から9月22日06:45(台北時間)までの中間集計。前回は8月31日から9月8日。SharePartyのオンラインパネルによる自記式調査で、20歳以上かつ注意力チェックを通過した回答者を対象とし、政治設問は別途同意した人のみ回答した。非確率標本で、結果は無加重。母集団の参考は内政部「民国115年8月戸籍統計資料分析」で、20歳以上の戸籍人口は19,640,702人。これは戸籍統計であり、本パネルの抽出名簿ではない。

標本:今回の重複除外後の回答者は1,111人。六都市の市長設問の回答者は407人、同じ人の前後比較は292人。都市別の比較対象は台北53人、新北79人、桃園22人、台中43人、台南32人、高雄63人。本文の支持割合は各都市の比較対象群を分母とした。政策3問の有効回答数は、本文の掲載順に618人、617人、610人。

スマートフォンの行動データ:動画は両期間に記録があった99の連携アカウントを使用し、前後比較292人のおよそ3分の1に相当する。アプリとニュースサイトは、各期間で少なくとも3日間アプリ記録があったAndroid利用者135人を使用し、Android利用を自己申告した184人の約7割に当たる。ニュースの対象は事前に定めた15のドメイングループで、割合は同じ135人を分母とする。このうち両期間にウェブサイト記録があったのは122人。いずれも各回の回答前168時間を比較し、無加重。二つの群は合算できず、比較対象者全体や有権者全体を代表しない。アカウントが共有されている場合や、記録が不完全な場合がある。タイトルへの名前の掲載は、支持や実際の影響を意味しない。

広告追跡:同じSharePartyパネルの既存682人を使用し、本文の前後比較292人全員を含む。別途募集した標本ではない。9月7~13日、14~20日にAndroidのSNS広告記録があった人は、それぞれ201人、198人。本文の広告割合は両週に記録があった同じ185人を分母とし、このうち85人は292人の追跡群にも含まれる。両週に同じ識別ルールを適用し、広告主名の完全一致で照合した。アカウント所有者、実際の支払者、内容の立場は独立に検証していない。該当記録はすべてFacebook上のものだった。両週に記録があることは、全期間の完全な収録を意味しない。Xでは広告主名の欠損が多く、対象範囲にiOS、LINE、オフライン、広告主を識別できないYouTube広告は含まれない。9月1日の記事は66日間の広告主把握であり、今回の固定した同一人による週次接触率とは異なるため、直接差し引くことはできない。未観測は未出稿を意味せず、市場全体の広告量、費用、投票への効果は推計できない。

誤差:非確率標本には、母集団の無作為抽出誤差を直接適用できない。参考として単純無作為抽出の式を用いた95%の範囲は、407人で約±4.9ポイント、292人で約±5.7ポイントだが、本調査の実際の誤差や都市別誤差ではない。未定割合の変化について、同一回答者の比較による記述的95%区間は−6.8~+1.4ポイントで、変化なしを含む。

比較上の制約:前回の候補者一覧には台北の郭璽、高雄の洪方隆がなく、新たな選択肢に関わる回答変更をそのまま支持の移動とは数えない。支持の確かさ、市議選での政党選択、投票に行く可能性、情報経路、接触した話題について一部の回答が欠損し、情勢判断には使用していない。以前の404人による8月から9月の比較は別の比較対象群であり、今回の292人と直接つなげていない。設問全文、方法、付表は sales@sharepartyinsight.com までお問い合わせください。